charming records

ストリップファンが、ときどき本をつくります。

『ストリップと読むブックガイド』制作日記:10/1-5

10/1(日)

原田眞人監督の新作『BAD LANDS』に西成オーエス劇場が映っていた。いまは大衆演劇の小屋。
寄稿者とのやりとり、図書館を回って返却・貸出、関連書のチェック(きょうはハズレばっかし)。天候と仕事の懸念でうっすら具合が悪かったけど、各位への連絡を書いていると意識の前面にあった憂鬱が追いやられる。

 

10/2(月)

今日からスタートのNHK朝ドラ『ブギウギ』。ステージシーンはやっぱりアガる。朝ドラなのでしばらくは幼少期だけど、歌って踊るのをいっぱい観たいなー。
原稿が集まりだしてからずっと、ブックガイドをどう並べるか構想している。カテゴリ別に章立てするか、グラデーションになるように並べるか。整ってない本にしたい。

 

10/3(火)

うつっぽくてのどがつかえ、サマハン(スリランカのスパイスティー)をのむ。
関連書の近隣図書館の所蔵状況は春夏のうちに確認してたのに、いざ借りようとしたら除籍されてた(アーッ)。現時点でリストアップされてるのは、約280点。さらに手を広げて掘り起こすこともできそうだけど、一応の終わりは見えてきた。
ストリップ本は、書誌情報までは確認できても、NDL含めどこの図書館にも所蔵がなく、古書もほぼ流通していないものがかなりある。こういう本をつくっているけど、アーカイブをすり抜けていく憧れってあるなあ。残らないから尊いという話ではなくて、残らなくてもいいという在り方に。ストリップは正史には残らない。劇場での時間は吹けば飛ぶよな愉しさがある。でも、文化としては、生き残ろうとしぶとくやってきた歴史があるのも、本を読んでいるとわかってくる。

 

10/4(水)

起きたらデザイナーさんから表紙のラフがファイル便で届いていて、帰宅後の開封をたのしみに出勤。通勤の電車内で原稿のチェック。気圧、最悪。
同僚に昼ごはんに付き合ってもらって、仕事の相談。明日が正念場なんだけど、天候よくなさそうだし、ピルも休薬期間でホルモンバランスくずれやすくなるし、ぬー。景気づけにハーゲンダッツを食べてもうた。なんだかカップが小さくなった気がするし、値段もこんなに高かったっけ。だけど賃金は上がらないし、政治はなんもしないどころか殺そうとしてくる。
帰宅して開いた表紙のラフがすてきで、胸がぱっとあかるくなる。原稿がまだの方も無事にいただけるよう願いを込めて、レイアウトの準備をやっておきました。

 

10/5(木)

仕事の正念場。わたしは勝負に弱い。しかし最善は尽くした。勝負に弱かろうが「うまくやる」ができなかろうが、うれしく暮らしていけることは自分の人生で示す。

『ストリップと読むブックガイド』

2023/11/11(土)文学フリマ東京37で初売り!
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『ストリップと読むブックガイド』制作日記:9/27-30

下記の演目の内容に言及しています。

9/29(金):翔田真央 19周年作
9/30(土):黒井ひとみ「天国行きの女」

9/27(水)

ここ数日は、日記どころではなかった。仕事に行きつつ、やってることは日曜の日記とだいたい同じ。連日ラップトップをしょって出勤していると(昼休みに原稿のレイアウトをやるためです)、上半身のあちこちが張って動かなくなってくる。美容院のことはややにがてなのだけど、あまりにシャンプーが気持ちよくていつまでも続けてほしかった。人からさわられることに過剰に緊張してしまうたちなのに、人にさわられているから気持ちいいんだろう。ストリップは踊り子が動かす空気を肌で感じるほど近くても、さわれないことが決定的な性風俗、うにゃむにゃ、とかぼおっとしているうちに終わってしまった。施術者にもばれるくらい頭皮が凝っていたらしく、耳のまわりに眼の疲れに効くツボがあると教えてもらう。その側頭筋らへん、激務だったときガッチガチに固まってねむれなくなった。
日劇小劇場で作家として数多くのショーを送り出した岡田恵吉の随筆集『女のシリ・シンフォニー』。アメリカのストリップティーズのステージ写真のキャプションに「これはお色気充分のお茶っぴいなストリップアクト」。かわゆ。

 

9/28(木)

身体が気候に慣れてきたみたい。中途覚醒が減った。
初期ストリップを代表する日劇小劇場と後身の日劇ミュージックホールは、宝塚歌劇と同じ東宝系列。ミュージックホールには、来週からのNHK朝ドラ『ブギウギ』ヒロインのモデル・笠置シヅ子もたびたび出演していた。ストリップは出てこないだろうけど、近い文化圏の話になるんじゃないかと期待。趣里はすきな役者なのでたのしみ(城山羊の会での挙動不審な演技がかわいかった)。
よく知っていたつもりの作品でも、ストリップを軸に読みなおしてみると、浮かび上がってくるものがガラリと変わる。ストリップを観たことない本好きにもこの面白さを伝えたい。本書の最初には、ストリップの基礎知識のページを入れるつもり。


9/29(金)

仕事で予期せぬ不穏な動きがあり、呼吸が浅くなって退勤まで保つ気がしない、昼休みに会社を脱出してチャイをのむ、午後イチで同僚にメールで助けを求め、相談にのってもらえることになった。ありがたや。
翔田真央さん周年の道劇へ。女友だちがきていた、きょう会えると思わなかった。
デビューの綿貫ちひろさん、動物っぽい愛らしさで、ベッドで髪を下ろすとさらにその魅力が際立つ。自分が踊り子になったら、と夢想したことはあるけど、実際に足を踏み入れるにはいくつもハードルがある世界。「おめでとう」と同時に湧き上がってくるものに「ありがとう」があてはまるのか、あてはめていいものか整理できない。おめでとうございます。
真央さんの周年作は見るからに華!な衣装で、ダンスの醍醐味をかみしめていたら、ベッドで全裸の美しさに見惚れた。ストリップっていいな、とストレートに感じられる最高のスタンダード。
友だちと駅まで一緒に帰る道で、転職が決まったのを教えてもらう。おめでとう! 周年、デビュー、と節目に接していると、それが華やかな面ばかりを見せるものだとわかっていても、自分がオフィスでかかずらってることなんて実にみみっちい気がしてくる。けれど、それがみみっちくても、自分が苦しまざるを得ないことは否定せずにいたい。

 

9/30(土)

朝からNDLのつもりが、朝食のあとから午後まで断続的に寝る。仕事でだいぶ持ってかれてる。
どうにかミカド。緑アキさんのラスト出演、新作も「Stripper」も観たかった。わたしが思春期にアングラに夢みたものを具現化したような方。アキさんの豪奢で端正な世界に耽溺する時間、ストリップではあとわずかなのか。
黒井ひとみさんが9中から出している「天国行きの女」、最高にカッコいい。夫を殺して逃げた女は地獄に落ちない、天国に行ける。敵に縄で拘束されても、正面からやっつけて、解放的な自吊りに換える。しかも、ちゃんとエッチなのがいい。
以前べつの場でご挨拶した方と再会してはじめておしゃべり、友だちにも会えた。ストリップにいい日にしてもらった。

『ストリップと読むブックガイド』

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『ストリップと読むブックガイド』制作日記:9/21-24

9/21(木)

仕事は相変わらず重いけど、毎日ブックガイドの連絡と作業をしている時間にぐいっと持ち上げられてる。わたしのやりたいことにお付き合いいただけてありがたいことです。
仕事の会議で不意討ちを喰らって、こころにシャッターが降りた。頭痛ーるを見たら気圧急降下。これだ。
退勤後もうズタボロで、ピラティスまで中途半端に時間が空き、シルバニアファミリーの店を覗く。一緒に熱海へ遠征した友だちがナマケモノの赤ちゃんに「イワイさん」と名前をつけていて、親近感が湧いてきたの。うちにもナマケモノの赤ちゃんを迎えるか迷い中。耳がなくてつるりと丸い頭部がシルバニアっぽくないところがいい。

 

9/22(金)

シャッターが降りっぱなし。ピラティスに行ったのに身体が重い。食欲がバグってる。それでも、寄稿者からの誠実であたたかい連絡が沁み入り、原稿の活気ある言葉に力づけられ、どうにか起き上がれる。でも、会社に行くと身体が分解しそうで、在宅勤務の許可が降りず、思いきって仕事を休んだ。ひたすら寝た。
ブックガイドの原稿がだいぶ揃ってくる。今回お願いした方々は、ディープなスト客や読書家だけではなくて、ストリップや本との付き合い方にだいぶ幅がある。似通っていたりそんなことなかったりの言葉が集まって、人となりがちらっと見えるこの感じ、劇場での空気に似ているところもあるんじゃないか。
友だちからの頼みで電話。ついでに、ブックガイド編集作業が面白くてしょうがない話を聞いてもらった。ありがとね。

 

9/23(土・祝)

今度こそ都立中央図書館。祝日も開けてくれてありがとう。自分には用がないと信じていた広尾にあった。恵比寿で日比谷線に乗り換えるのだけど、このまま終点まで乗りつづけたら南栗橋まで行ける。
メキシコ料理屋の会計時に財布にわずかな小銭しかないことに気づき、図書館で出納請求をしてから、携帯とスマートウォッチとモバイルバッテリーの充電を忘れ、ラップトップとクリアファイル(複写をしまう用)をうちに置いてきたことが発覚したが、どうにかブックガイドの調べものと、ストリップ関連書のチェックをやる。小沢昭一が参考文献に挙げていた限定150部の非売品が、郷土資料として収蔵されていた。ワーオ。酒井徳男『浅草』(美和書院、1953年)。浅草六区についての短いエッセイが収められていて、ストリップの章もある。凝った造本で、図版はおそらく手貼り。女性器の中心で仏のような裸の女性が合掌する蔵書印がついていた。
都立で見るべき資料はさらっと終わったけど、問題は土曜しか利用できないNDLの分。
ブックガイド校正のため、取り上げられている本を読むうちに鬱屈がやわらぐ。元気が出る本が多いね。

 

9/24(日)

いただいた原稿をページにレイアウト、返信、資料のチェック、別件の打ち合わせ(だけど雑談でブックガイドの話ちょっと聞いてもらった)、7年つかった携帯の動作がおぼつかなくて機種変更、資料を探しにレンタルショップを覗いて空振り、図書館はしごして資料受け取り、校正、寄稿者にレイアウトのサンプルを送って修正の相談、あれもこれも忘れそうで状況整理、食欲が暴発してポテチを空けた、家事やらなきゃなのにできなかった、夏がいきなり秋になるとがくんと具合わるくなるのが今年もやってきている。

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『ストリップと読むブックガイド』制作日記:9/15-18

下記の演目の内容に言及しています。

9/15(金):浅草ロック座『まつろわぬもの』第一期 3景(花井しずく)
9/17(日):チーム黒ばら(黒井ひとみ、萩尾のばら)「お嬢さん」

9/15(金)

仕事、月内はたいへんなのが続きそう。
浅草ロック座で『まつろわぬもの』第一期。古典や史実の、規範や権威に従わない者たちがテーマ。花井しずくさんの3景「虫めづる姫君」にわくわくした。新春公演でも感じたけど、花井さんの姫、いい。気まぐれな目の表情のつくりかたはザ・お姫さまなんだけど、時折ガチの虫オタの顔になる。ツンとお高くとまって、長い棒状のものを回すのがサディスティックで似合うんだよなあ。ベッド着でマラボーを芋虫にアレンジして、文字通り絡むアイデアもストリップならでは。
関連書のチェックが進むうち、年表を併録する方が各書の背景や流れが格段にわかりやすくなるよねと聞こえてくるのだけど、残り時間と作業量を思うと手を出せず……。まさにこの日、ファンの情報サイト・Strip NavigatorさんがStrip歴史年表を公開した。これだけの情報が、しかもネットにある、敬服。現在に近づくほど、出来事の取捨選択に中の人がかいま見える。何をどう調べてまとめたのか。この方はストリップを何年追ってるんだろう。

 

9/16(土)

道劇レディースデー。女がいっぱいの道劇で尖りに尖ったフリーダム興行……! しかし、すごいおかゆ食べる会(後述)との兼ね合いもあって断念、NDLへ。来週土曜は祝日で休館だからなのか、本館の資料受け取りカウンターの行列が廊下まで延びている。今日は別室の資料を主に見ることにした。成人指定がつくくらいの本は、やっぱり隔離されてるんじゃないかなあ。
ヌード写真集をめくっていると、時おり目を逸らしたくなって驚いた。裸はいつも劇場で至近距離で見ているはずなのに、“過激”さでいえばさらに上のものを見てきたのに、はじめてストリップを観た日からこう感じたことはない。劇場では、踊り子が見せたいものに対面した上で、わたしがどう見たいのか、なにを見たいのか、選んで決められるからなのか。
資料到着を待つあいだ、ブックガイドの寄稿者から改稿が届く。原稿がブラッシュアップされていく過程を追うのもすごく幸福な時間。どなたも芯になるものは最初の段階で既にきちっと書いてあってぶれないんだけど、加筆で勘所がぬっとあらわれて、全体の響きが変わることがときどきある。興奮する。
夜はすごいおかゆ食べる会。横浜中華街で、最少催行人数16名、1万円超えのすごいおかゆ鍋が食べられるということで、友がTwitterで音頭をとって半年前から参加希望者と日程調整をしてきた。見るからに桁違いの質のよさがわかる具材(アワビ、名古屋コーチン、ドキッとするくらいきれいな赤にキメの細かいサシが入った牛肉、and more)を順におかゆで煮込み、取り出されたものを食べていく、これを16品目繰り返し、すべての食材のだしが出た粥にあふれんばかりの油条をのせて〆。どの具材も光っていて出てくるたびに拍手が起こり、初対面のひとたちとわれらは王だと言い合いながら食べた。20年分くらいの慶賀を抱きかかえたと思う。

 

9/17(日)

待ち合わせして道劇へ。寄稿者で、かねてより劇場にご一緒したかった方と。
きょうは誕生日に贈ってもらったカラーマスカラを塗ってきた。9月は熱海での永瀬ゆらさんと黒井ひとみさんの796チームショー「卍」、浅葱アゲハさん周年、道劇での黒井さんと萩尾のばらちゃんの黒ばらチーム、と興奮が続くあまりインナーカラーに赤を入れたと話していたら、色を揃えてくれた。796を一緒に観に行った宿で渡してもらえたのがまた嬉しかった。
チーム黒ばらの「お嬢さん」、言葉と身体を支配する男の暴力から、女と女が自分たちだけの言葉と身体を取り戻す物語だった。お嬢さんが男から押しつけられた言葉を侍女が破り捨てる。教育が受けられなかった侍女にお嬢さんが文字の読み方を教え、ふたりで言葉を獲得する。侍女がお嬢さんに塗るネイルの爪から指へ、手の触れ合いへ、全身をあずけあってふたりで踊って、性愛へと、身体から関係性と自由をつくり上げていく。それでも、どうにもできない強大な暴力に抗うために、死でもなく、正面きって相手を倒しに行くのでもなく、闘い方として逃走を選ぶ道を見せてもらって、物語の、劇場の外の現実で生き延びることを思った。現実には、絶望的な人生を壊しにきてくれるひととのドラマチックな出会いはなかなかない。けれど、ストリップを観ていると、自分をがんじがらめにしているものが壊れる日がふと訪れる。わずかでもひびを入れてもらえる瞬間がいくつもある。
麗郷で台湾料理を囲みながらのおしゃべりも。ふたりで4品頼んだけどすばやく全皿出してくれて、トリプル進行中の外出でも心配ご無用。踊り子さんの好きなところ、きょう印象に残ったシーン、別の趣味、話は尽きなかった。「なんで『ストリップと読むブックガイド』を思いついたんですか?」と訊かれて、ほとんど思い出せなかった。

 

9/18(月・祝)

はじめての都立中央図書館。の予定が、ほぼ睡眠に費やす。夏は日差しの影響で毎年ねむれなくなって、心療内科の主治医に相談してくすりもつかうのだけど中途覚醒する。今年も8月頭からずっとこう。
返信とページレイアウトと原稿の校正と、とひとつずつ進めて三連休おわり。

『ストリップと読むブックガイド』

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『ストリップと読むブックガイド』制作日記:9/10-13

9/10(日)

二度寝したら10時半。台風が身体にきつかった。朝イチから動くはずだった予定は仕切りなおすことにして、そうめんをゆでる。劇場にも仕事にも行かない日は、ここぞとばかりにお弁当にできない料理をつくる。
寄稿の依頼を長らくご検討くださっていた方から、うれしいお返事が届いた。ッシャ!
早めにいただいていた原稿をページのフォーマットにレイアウトしてみると、デザインに直したいところが出てくる。フォーマットをつくっている最中はサンプルテキストをつかっていてずっとしっくりこなかったのが、原稿を入れたらなにをどうすればいいかバシッとわかった。なんでだろ、言葉の鮮度? 執筆者にもチェックしていただくため、PDFに変換して送信。
執筆者には書評とあわせて、キーワードも決めてもらっている。入れる位置、書名といっしょに書評の前に置くか、本文のラストにするか迷ってたけど、後者に固めた。
家から一歩も出ないまま就寝時刻になった。今日が期限だったDr.ハインリッヒの単独ライブ配信を観そこねた。

 

9/11(月)

日名子暁『ストリップ血風録:道頓堀劇場主・矢野浩祐伝』が面白い。小倉の愚連隊、極道を経てストリップ業界入り、31歳で道劇の支配人になるんだけど、摘発と新風営法で過激なショーができなくなって、当時の業界では珍しかったカタギと手を組み、演劇を取り入れたショーで劇場の再興を図る。道劇の閉鎖後も渋谷で踊り子が出演できる小屋を立ち上げ(いまのシアターGOOみたいな感じなのかな)、60歳にして札幌道劇スタートのためにススキノに渡る。幻冬舎アウトロー文庫の書き下ろし企画でした。自伝の『俺の「道頓堀劇場」物語』との読み比べがたのしみだな。
昨夜にいただいていた原稿をレイアウトして、内容と取り上げられている本を照らし合わせ(念のため、誤字脱字などの校正をしつつ、事実誤認がないか確認しています)、執筆者にレイアウト見本を送りがてら修正の相談。いい原稿に接したときの高揚は刊行まで誰とも共有できなくて、しばらく自分ひとりで抱えつづけることになる。早くみんな読んで!と叫びたいが、いまひとりじめになっている原因もこの先みんなが読めるようにするのもあなたです。
名画座早稲田松竹で『TAR/ター』。性別、人種、あらゆる力の不均衡と差別を取り込んで、エンパワメントとは真逆の手法で徹底的に叩きのめす。原稿が一気に届きはじめたら、文フリまで映画館に行く余裕がなくなるんじゃないか。

 

9/12(火)

仕事、きつかった。関連書の内容確認をちょこっとだけやった。
井上ひさしによる、『浅草フランス座の時間』の「はじめに」がしみじみといい。ブックガイドには簡単な紹介しか載せられないので、ここで一部を引用します。

井上ひさしこまつ座 編著『浅草フランス座の時間』(文春ネスコ、2001年)


はじめに 踊り子の仕事
文/井上ひさし


 わたしたちはあらゆるものから自由でありたいとねがっています。いま生物学の最前線で流行している術語を借りていえば、わたしたちは精一杯「ゆらぎ」たいとねがっています。ところがどなたもごぞんじのように、このねがいはほとんどかなえられることはありません。それほどまではげしく自由でありたいとねがっているのに、わたしたちは四方八方から束縛されて生きてゆかねばならないのです。そこでわたしたちは、なんとかして「ゆらぎ」の余地をのこしながら、同時に必要な束縛は受け入れて生きようと思います。このことに成功すれば、束縛は協調ということばにかわるでしょう。つまりよりよく生きるということは、束縛を協調の線に押しとどめておいて、そのうえ各人がそれぞれの個性を生かしながら充分にゆらいでみせることだ、といっていいでしょう。
 右にのべたことを肉体で表現してくれるのが、たとえば踊り子なのです。彼女たちの肉体は演出家の指示や作曲家の指定したリズムや振付師が与える身振りによって四方八方から束縛されます。(…)この奴隷のような状態から抜け出すために踊り子は猛稽古をし、ついにはそれらの束縛を自分の肉体のなかに吸い込み、完全に手なづけてしまいます。そして「それらの束縛にもかかわらず、自分の個性をゆらがせてみせる」という大冒険にみごとに成功してみせるのです。彼女はそのとき束縛とうまく協調しています。だからこそ彼女の肉体は充分にゆらいで見えるのです。肉体が、人間が、そして生命が輝くのは、この一瞬です。
 わたしたちが踊り子にあこがれるのは、彼女たちが柔かい肉体と、その肉体を自在に操る技術とで、束縛を飼い馴してみせる達人だからです。同時にわたしたちは彼女たちの肉体がやがて衰えてゆき、ついに亡びてしまうことも知っています。生命が「不可逆」であることの哀しみ。それゆえにわたしたちは踊り子たちをいとおしくも思うのです。

 

9/13(水)

続・きつい業務。人間関係の不条理が降りかかる。ブックガイドの作業はできず、関係者への連絡だけ。
仕事帰りに、林海象監督『私立探偵濱マイク』シリーズの3作目『罠 THE TRAP』。映画を観ている場合ではないのかもしれない。ただし濱マイクは絶対に映画館の大きいスクリーンで観なければならなかった。2作目の『遥かな時代の階段を』には、横浜の黄金劇場とストリッパーが出てきます。

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『ストリップと読むブックガイド』制作日記:9/6-9

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9/8(金)で、下記の演目の内容に言及しています。

葵マコ「身体はいらない」
白雪「candy」
浅葱アゲハ 19周年作

2023/9/6(水)

『ストリップと読むブックガイド』に向けて本格始動した8月からつねに気ぜわしく、言葉が渋滞するようになってきたので、日記を書いてみる。とはいえ、やらねばならないことは山積み、キャパオーバーしそうになったらやめます。
図書館で資料の受け取り。この地域は蔵書が充実しているとはいいがたいのだが、郷土資料として劇場の文献はけっこう所蔵している。
借りたのは、巻末に掲載したいストリップ関連書。検索で書誌情報を拾い、実物で内容確認、本文に出てきた固有名詞や資料をリストアップしてまた検索、のくりかえし。小沢昭一『私は河原乞食・考』に、12年間皆勤してる僧侶スト客・通称「ヌード良寛」が出てきてウケる。クセ強名物客はいつの時代にも。
寄稿者から、ガイドの選書のご連絡が次々に。これを開封する瞬間が毎度たのしい。「そうだよね!」も「あの本がまさかストリップと!」も「こんな本があるのか!」も。役得。ひとと本をつくると、目算どおりにいかないことの方が多いのが面白くてたまらない。当初はこうしたかったけどポシャッてしまったことが、思わぬ方向から別のかたちで実現することになったりもする。
夜は、ウェス・アンダーソン監督の『アステロイド・シティ』へ。ウェスは極小の字幕を仕込んでくることがあるので、大きいスクリーンで上映しているうちにいそいで観なければならない。

 

9/7(木)

おやつに、日曜の熱海銀座劇場で3年ぶりに(!)偶然(!)会えた友だちがくれたお菓子を食べた。
井上ひさし全芝居』、布張りの表紙に大入り袋が空押しされていてかわいい。収録されている「日本人のへそ」は、スト客フレンドに「虚構の劇団」の解散公演を教えてもらって観た。作品の大半を占める劇中劇がストリッパーの物語なんだよね。井上ひさしは、学生のときから浅草フランス座の文芸部でストリップやコントの台本を書き、この作品で本格的に戯曲家デビューしている。上演記録を確認していたら、こまつ座で友だちの推し(とても有名な方らしい)が主演していてびっくり。
退勤後にピラティスのレッスンを予約していたが、ウェアを忘れていったん帰宅。毎週のことなのでリマインダーに入れてるのだけど、それでも忘れる、それがわたし。スタジオに着いたあとに気づいてたら受講できなかった、よかった。

 

9/8(金)

台風に備えて午前はリモートワーク、午後休をとって愛しの道劇こと渋谷道頓堀劇場。
開演直前に入って席を探すと、知った顔が既にふたり。どちらも遠征。Twitterで休館が決まってないことを確認してうちを出つつ、こういう日だからこそスト客は来るんでしょと決めつけていたけども。ご無事にたどり着けてなによりです。
葵マコさんの「身体はいらない」、念願の道劇で。大和ミュージックで、パンティストッキングをつかった演目の「パンスト大会」のために生まれた新作なのだけど、思いもよらぬパンストづかいに目をみはったのだった。ストッキングのような伸縮する素材、繭に似た袋のなかに裸体! 暗転したまま電飾が施されたスポーティーな衣装で登場する冒頭からパンストのベッドへ、「肉体」の生々しさから遠く離れた仕掛けがいくつも現れて、「身体」が無形のものとして立ち上がってくる。
白雪さんの「candy」、赤ちゃんっぽさも感じるルックスがハマるキュートなダンス、客にキャンディを渡す演出がたのしい(初めてと思しき女性グループが喜んでいた)。夜に眠りにつくベッドのあと朝を迎えた立ち上がりで、寝起きの伸びの動きがポーズに繋がっていくのに驚いた。脚を開きながらLへ伸ばしていく動きに、太陽が昇る動きや始まりのイメージも重なる。
浅葱アゲハさんの19周年作はかぐや姫。舞台につるされたペーパームーンが印象的だった。黄色い照明が当たって、ぼんやりとしたやわらかい月の光になる。下手に光を透過する月(手の動きが影絵になるのが美しい)、上手に光を反射して拡散させる月としてミラーボール。
寄稿者の方もいらしていて、演目の感想やマコさんの周年作のことなどおしゃべり。
めまいがきつくて3回めまで。仕事帰りの客が増えて、皆勤中の友人も来た。場内のボルテージがこれからさらに上がっていくのを確信しつつも道玄坂を降りる。湯舟に浸かったら、頭部が音叉になったようにじんわりと反響していた。

 

9/9(土)

台風と生理がてきめんに体調にひびいてるけどがんばって、国立国会図書館(略してNDL)の開館めがけて出かける。平日勤めゆえ、利用のチャンスは土曜しかない。そして、ストリップ関連書はNDLしか所蔵していないものがかなり多い。
NDLは閉架式で、資料の閲覧にはすべて申請が必要。今日はまず写真集に手をつけたのだけど(テキストが少なくて内容確認がすぐ済むと思った)、資料の受け取りは通常のカウンターではなく「別室」。階段を上がると、関係者用の薄暗いフロアの奥にガラス扉の別室がある。エッチな写真集だから、ではなく、傷みやすい資料(製本が強固でない画集や付録つきのムックほか)は分けて管理されているらしい。閲覧すると想定以上に情報が多く、複写することに決めるも、申請の範囲指定に必要なノンブルが掲載されてない。職員に相談し、どうにか書類を記入(仕事とはいえヌード写真をたくさん見るはめにさせてごめん)、別室からの持出手続の上、複写カウンターに運び、職員が確認のためたくさんヌード写真を見て(ごめん)、ページが外れているのが見つかり、しばし関係各所の協議が行われる。ほんとうにごめんなさい……。持出手続でページをめくったときにとれてしまったようですね、との結論で複写に影響はなかった。写真集は本をめいっぱい開けるように製本するので、ページが外れやすい。できあがりを待つあいだ6階の飲食スペースで昼食を摂り、2階でコピーと資料を受け取り、また3階の別室へ資料を返しに行く。次の資料の到着を待つあいだ、館内限定のデジタル資料を見る。どこでもすぐ閲覧できて破損の心配がない、なんて気やすいんだ。
永田町にはなにもない。ごはんは館内の食堂や売店に頼るか持ち込むしかなくてつまらない。永田町では絶対に働かない。
閉館後、新幹線に飛び乗れば熱海銀座劇場の開場に間に合うのは把握していたが、体調が追いつかなかった。永瀬ゆらさんと黒井ひとみさんのチームショー「卍」、黒井さんは明日おやすみなので今日が楽日。
帰りにスーパーで買い出しをして、寄稿者によるブックガイドページのデザインを最終調整(デザインは本文だけ自分でやってます)。ストリップ関連書リストの整理と進みぐあいのチェック。23日の土曜は祝日だからNDLは休館!

東京レインボープライドへ行って、パレードを歩く(2023)

紆余曲折を経て、はじめて東京レインボープライドへ行き、「Family Pride」としてパレードに参加したときのこと。

東京レインボープライド(TRP)には行かないことにしてたけど、今年はじめて足を踏み入れることにした。友だちが誘ってくれたから。行ってなかったのは、帰省がかぶった、お金がないつらさでふとんから出られない、とかの理由もあったのだけど、近年はHPを見ていて、スポンサーの顔ぶれに大きな資本が動いているのを感じてウッとなり(最後まで東京オリンピックの協賛から降りなかった企業が複数入っているのもあり)、セクシュアリティジェンダーアイデンティティの切実できわめて個人的なことが商用利用されているのでは?とか、あとはよく目にする「Happy Pride !」がどうにも引っかかったりとか。
ストリッパーの黒井ひとみさんがパレードへの参加を表明して間もなく、ストリップ友だちの○ちゃんから一緒に歩こうと誘われた。黒井さんや○ちゃんが参加するのは「Family Pride」というフロートで、同性婚に限らず「色々なかぞくのカタチ」を祝福する趣旨だと知って、これならと気持ちが傾く。自分の関心やポリシーに合ってるし、パレードは公道を歩くから、通行人の目に触れる。どんなかたちであれ、いっしょに暮らしていきたいと思っているひとたちに等しく権利があってほしい。そう望むひとりがここにいると可視化できるのなら参加したい。○ちゃんが声をかけてくれたのもうれしくて、いちど行ってみるならいまだ、と決めた。


パレードで身に着けるものを探しに、虎が飛ぶ雑貨屋へ。ネットでレインボーのアイテムやフラッグを探していたら、いくつか取り扱いが見つかったので。日よけも兼ねて帽子を買おうかと手にとったら、「UNITED LOVE」のロゴつきだった。ひとつひとつのLOVEは当事者だけのものだからUNITEDはそぐわない気がするし、ジェンダーアイデンティティセクシュアリティには必ずしもLOVEが含まれるわけではないので、ここでは何も買わないことにする。結局、当日の装いはぜんぶうちにあったもので、フェミニズム出版社・エトセトラブックスのTシャツ(「etc.voices, etc.books.」 と入っている)、ファミマのPRIDE靴下、大切にしているコムデギャルソン コムデギャルソンのクィアなシルエットのスカート、就活でパンプスの理不尽に怒って無理して買ったDr.マーチンの3ホールでわたしなりの所信と反骨をコーディネイトした(のちに、フードブースで買った串焼きだんごのたれをこぼすことになるのですが)。
目覚ましアプリのセットを忘れ(アプリの起動まではしてたのに…)、朝に予約してた坂本龍一の映画を寝過ごす。待ち合わせにはなんとか間に合う時刻で、パンをかじりながら急いでプラカードをつくった。「あらゆるかたちの家族に権利を」と文字入れし、Adobeのフリー素材にあったレインボーフラッグを背景にして、コンビニで印刷して原宿へ。駅で、○ちゃんから誘い合わせのみんなと集合。共通の友だちの□さん、△ちゃんも来ていた。
会場の代々木公園に入ってすぐ、歩くのも難しいくらいの人ごみ。こういう場を求めて来るひとがこんなにいるものなのか。油断するとすぐはぐれそうで、場慣れしている○ちゃんが先頭に立ち頭上にうちわを掲げ、それを目印についていく。新陳代謝ちゃん(『ストリップは味方。』表紙)作「黒井ひとみ御一行」うちわ! 6色のハートも入ってPRIDE仕様。裏は黒井さんのTwitterプロフィール「生きてるって最高!」で、この場にもぴったりな言葉だ!とうれしくなる。「生きてるって最高!」についてくって、これがもうパレードじゃない?  ○ちゃんはみんなにレインボーフラッグを配ってくれた。Family Prideのスタッフさんからバルーンももらった。

いよいよスタート、陽気な音楽が流れる。Family Prideの方が用意したと思しき大きなスピーカー、台車に載せて押しているのがかっこよかった。フロートと聞いて、テーマパークみたいなあれしか想像できてなかったんだけど、これは地べたからのフェスだね。ちょっとベビーカーに似てるなと眺めていたら、まさにベビーカーもパレードに参加していたとあとから気づく。ベビーカーが車道を晴れ晴れとパレードする。ベビーカーは邪魔なんてことない、どこにどんな状況にいたって正しい。
驚いたのが、沿道に見物人、というか応援してくれるひとがいっぱいいた! 手や旗を振ってくれたり、「Happy Pride !」と呼びかけられたり、差し入れにキャンディを配ってるひとまで。新宿でデモに参加したときの経験から、休日の渋谷へ遊びにきたひとたちの無関心を肌で感じ、ときに冷たい視線が……という想定だったのに。なんかこれ覚えがある、あれだ、歌手のライブDVDの舞台裏映像に入ってた、出待ちの光景だ。近隣の店のスタッフが出てきているのも何度か見た(休日の昼間は忙しいだろうに)。デモだと、その場にとどまって、気が向いたひとだけシュプレヒコールに混ざって(プラカも持たず、その場にいるだけの参加者も)、危機感を持ったひとが集まっているので場の空気は真剣。パレードはメッセージも発信してるけど、祝福も含まれているからか、この場をたのしんでいいと思えた。わたしたちは応援してくれるひとたちにレスを送り、音楽に合わせて旗を振り、踊り、ときどきおしゃべりして、写真や動画を撮った。「生きてるって最高!」があふれていた。

わたしはフラッグやバルーンを揺らしつつ、プラカを広げて見せていた。日ごろから活発にデモへ出かける△ちゃんが見開きにできる厚めのクリアファイルを貸してくれて、プラカを入れたらだいぶ見せやすくなった。歩道に立っていた、同性婚実現のタオルを持ったふたりが、プラカに気づいたのか小さくジャンプしていて、わたしもプラカを高く上げて振った。プラカとわたしの顔を見てうなずくひともいた。報道のカメラマンが、プラカにしっかりズームインして撮っていった(パレードの列を俊敏にすり抜けていて忍者のようだった)。けさ起きた瞬間はプラカをあきらめようか迷ったけど、よかったな。

わたしが参加したことのあるデモには行進はなかった。車道を歩いた経験は、子どものときに強制されていた地元の祭りだけだ。毎年、へとへとに疲れて、夜や休日にやるのに保育園や学校の行事じゃないから代休もなく、男女でできることとできないことが分けられ、意義もわからなかった。練り歩くといってもきちんと整列するでもなく、生きてるわたしの選択が最高!と祝うパレードの記憶が加わって、思いがけず助けられた。


新宿二丁目のカフェ・どん浴ほか系列店のフードブースで腹ごしらえ(ローストビーフ丼もヴィーガンチリコンカンも絶品)。
△ちゃんとブースを回った。事前情報をなにも入れずに来たのだけど、大企業から自治体、大学、NPO法人、個人経営のお店など小さな団体も出店していた。
各ブースを回ると、LGBTQ+と出店者の関連性があんまり見えない場合もあって、継続的な取り組みをしているところ、当事者の声に耳を傾けようとしているところの名前を覚えて帰る。

毎年たのしみにしている、レインボー・リール東京(東京国際レズビアン&ゲイ映画祭)のブースで、小物入れを買った。活動資金になるとのこと。

△ちゃんに連れて行ってもらった筑波大学のブースもすばらしかった。クィアについて知るための本を学生がセレクトして紹介、実物を手にとってめくることもできる。カードに展示書のおすすめポイントを書いて貼るコーナーで、クィアについての本をはじめて読んでみたい、ひと通り知ってみたいひとにはまずこれかなあと、森山至貴『LGBTを読みとく』(ちくま新書)に。

各地のレインボープライドが出店しているエリアに、地元のはままつレインボープライドを見つけて驚く。今年はじめてパレードをやるそう。地元で生まれて暮らした10代まで、自分の性的指向に苦しんではいなかったけど、誰にも言えなくて、この地域に同じようなひとがいるなんて思えなかった。結婚して子どもを産んで自動車を運転して血縁を大切にして死ぬまで地元で暮らす、以外はエラーとされる空気。保守的な価値観が力を振るいやすい地方にレインボープライドがあるのは、そこで生きるひとにとってどれだけ大きいことか。感謝をこめて、寄付も含まれるバッジを購入。


「ここにいる」と目に見えることの大きさは、思っていた以上なのかもしれない。
通勤のかばんにはままつレインボープライドのバッジ、ストリップ劇場でつかってるサコッシュにレインボー・リールでもらった手づくりのPRIDEリボンをつけた。わかるひとにだけわかる表示ではあるけど(わからないひとに伝える努力はまた別にするとして)、すれ違った誰かの支えになれば、という祈りとして。