charming recordsの刊行物まとめ
※この記事は随時更新します。速報はX(旧Twitter)で。
charming records
ストリップファンのイワイによる自主制作本サークル。ストリップを中心に、そのときどきの関心を本やフリーペーパーにしています。
購入できる場所
●委託書店さま(敬称略)
店頭・通販でご購入できます。在庫は各店さまにご確認ください。
タコシェ(東京・中野)
模索舎(東京・新宿)
●編者の個人通販・BOOTH
匿名配送(送り主・宛先の個人情報は双方に知らされません)
●同人誌即売会・文学フリマ東京(例年5月、11月開催)
ブース名「CR」で出店しています。
個人誌
ストリップと読むブックガイド
→詳細は別記事で
ストリップと読むブックガイド - charming recordscr-iwai.hatenablog.com
趣味未満
いま「趣味」という語をつかうのは、わりとややこしい。
「趣味なので」という謙遜。
「趣味じゃないんだから」という批判。
「そんなに詳しくないんだけど」とついエクスキューズ。
「趣味がない」ってダメなんですか。
純粋な楽しみだったはずなのに、
いつのまにか苦しくなってない?
自己紹介や見せびらかすためのものになってない?
そんな「趣味」、ではないのだけれど。
あの「趣味未満」の話。
*
エッセイ
兼桝綾「グレープフルーツ・マウント」
渋木すず「見つけて過ごす」
鯨井可菜子「そっちではない」
平英之「分かち合いたい」
題字:ぃぃ
企画・編集:イワイ
刊行:2023年5月21日
A5変型(148mm×148mm)、28ページ
糸綴じ
表紙:コットンペーパー、活版印刷、本文:リソグラフ印刷
推しって呼べない
好きで、好きすぎて、特別で、応援したくて、
言葉にできないほどの、あの人。
わたしにとってのあの人は、いわゆる「推し」だけど。
割り切らないファンのエッセイ・論考集。
いつか床子→(俳優)
「あの星は私を見つけない」
平岡直子→(ダンサー・俳優)
「わたしの画面越しの炎、わたしの月の裏側、わたしの航空障害灯、」
錦見映理子→(元アイドル、現在 女優・歌手)
「愛と暴力」
渡邉千尋[論考]
「とり乱しと問い直しのファン活動」
イワイ→(アイドル)(ストリッパー)
「アイデンティティにさせないで」
企画・編集:イワイ
刊行:2022年5月20日
A6変型(85mm×140mm)、60ページ
天綴じ(縦開き)
表紙:蛍光インクバーコ印刷、本文:リソグラフ印刷
ストリップは味方。――働けなくなったわたしがストリップにハマるまで
この世が地獄でも、ストリップは味方だ。 セクハラ・パワパラで無職になったけど、ストリップに出会って生きるのが大丈夫になったファンのエッセイ。
著者:イワイ
刊行:2019年11月24日
A5サイズ、40ページ
表紙:新陳代謝ちゃん
フリーペーパー
わたしのすきなストリップ飯 浅草篇
腹が減ってはストリップは観れぬ。三度の飯もストリップもすきなわたしが、はじめてのストリップにもぴったりな浅草ロック座と、周辺の飲食店を紹介します。わたしのすきなお店なので偏ってます。
著者:イワイ
刊行:2023年5月21日
A3サイズ、2ページ
→【PDF版】わたしのすきなストリップ飯 浅草篇 - charming records Online - BOOTH
集まらなければ生きていけない
ストリップ劇場は、人との距離感を選べる場所。まなざしとコミュニケーションを買う風俗。 ストリップのきらめきに出会って救われた女性が、劇場に居場所を見つけて考えたこと。
著者:イワイ
刊行:2021年11月23日
A3サイズ、2ページ
コロナの時代の愛
感染症が流行る社会の身体、場所、自由、愛と、ストリップと、YUMA(永瀬ゆらさん・葵マコさん)のストリップチームショー『星空のsocial distance』について。
著者:イワイ
刊行:2020年11月22日
A3サイズ、2ページ
お問い合わせ
mail: charmingrecords.strip(at)gmail.com
X / Twitter: @cr_strip
国立国会図書館デジタルコレクションで館外閲覧できるストリップ関連書籍(2023.10.31現在)
*この記事の情報は、2023年10月31日時点のものです。
イワイ編『ストリップと読むブックガイド』に掲載したストリップ関連書籍のうち、国立国会図書館デジタルコレクションで館外閲覧できるものをまとめました。
利用者登録すれば、インターネットブラウザで資料が見られます。
各書の概要は『ストリップと読むブックガイド』本文でご確認ください。
利用条件
登録の手順は下記から
ストリップ関連書籍
踊り子
- ジプシー・ローズ『裸の自叙伝:ストリップ半生記』(久保書店、1966年)
- 近藤啓太郎『裸の女神:ジプシー・ローズの生涯』(文芸春秋、1968年)
劇場関係者
- 秦豊吉『芸人』(鱒書房、1953年)
- 秦豊吉『菜の花漬:随筆』(要書房、1953年)
- 秦豊吉『劇場二十年』(朝日新聞社、1955年)
- 秦豊吉『演劇スポットライト』(旅窓新書、1955年)
- 岡田恵吉『裸ばなし 女のシリ・シンフォニー』(学風書院、1958年)
- 丸尾長顕『女体美』(五月書房、1959年)
- 仲沢清太郎『はだか夜話』(近代社、1955年)
- 仲沢清太郎『踊り子風流話』(学風書院、1958年)
- 森福二郎『臍の見える劇場』(文芸出版、1953年)
評論・ルポ
デジタル化作業中の資料(公開時期未定)
踊り子
- 三井一郎『浅草駒太夫讃歌 : 花魁太夫十六代目』(勁草出版サービスセンター、1988年)
- 清水ひとみ『狂った果実』(扶桑社、1988年)
- 美加マドカ『生まれたまんま生きてきて』(三一書房、1988年)
スト客
- 石川誠『僕のストリップグラフィティ』(ベストブック、1995年)
ストリップと読むブックガイド
イワイ 編『ストリップと読むブックガイド』
ストリップは、読みたくなる。
20名が「ストリップ」から自由に連想した本のガイドと、
ストリップ関連書170点のデータ。
これからはじめてストリップを観る人への案内も。
《目次》
はじめに
はじめての人もここから! 現在のストリップ
…ストリップの基礎知識が2ページでわかります。
ストリップと読むブックガイド
──ストリップがおもしろくなる本20
…「ストリップ」から自由に連想した本を、キーワードと共に紹介。
踊り/ダンス/社会
踊りの一種としてストリップを見る
武藤大祐
文化政策/ダンス/身体
この国で踊るということ
きりん
女性の演者/ストリップの歴史/エンパワーメント
「ハダカを怖がることなんかない」
半田なか子
負けへんで!/性/セックス≠挿入
女になれない職業、男になれない職業
いとー
破天荒/青鞜/フェミニズム/個人の自由と解放
破天荒な女の〝瞬間〟に魅了されて
貫入
性暴力/フェミニズム/女と女
身体の、あるいは魂の奪還を目指して
新島みお
踊り子/労働/リップ
踊り子と客が幸せであるために
キンスキー
儚い「共同幻想」
十九世紀末のロシア文学に「推し活」をするオタクたちの心の機微を見る
くまお
お悩み/愚痴を聞く/正論では片付けられないもの
正しくないことに安心したくなったら
たなかときみ
群像劇/性自認のゆらぎ/異性装
単なる他人が愛おしい人に変わるとき
美樹あやか
BL/異なるものに触れる/快楽を知る
異なるものたちの呼び声
──BLとストリップ
結城敬介
細かい描写/チームショー/パンチライン
複雑で類型的なファンタジー
松本てふこ
変身願望/高揚感/自己肯定感
自分の価値
薙
エッセイ漫画/ボディーニュートラル/体と心/欲望と表現
裸ひとつの身心で
渋木すず
哲学/不要不急/人間が好き
生きてるって
片桐麻実
移動/自由/インフォーマル
自由を探して移動する
島貫泰介
短歌/社会と言葉/文脈への抵抗/身体性
「裸」という批評
平岡直子
進化論生物学/美学/芸術かエロか/装飾(ファッション)
素肌という装飾
平英之
間(ま)/間合い/アフォーダンス/個別の経験を記述する
ズレながらひとつになる
渡邉千尋
忘れがたさ/はみ出している/うず潮
露わになると忘れることができない
ハム
ストリップを知るブックガイド
──ストリップ関連書籍170 1948-2023
ストリップの現在/踊り子/劇場関係者/写真・絵画/評論・ルポ/スト客・体験記/フィクション/稀覯!未確認関連書/国立国会図書館デジタルコレクション
*「ストリップの現在」で、ストリップがはじめての方にもオススメの本を紹介しています。
*国立国会図書館デジタルコレクションで館外閲覧できる資料は、こちらの記事でまとめています。
国立国会図書館デジタルコレクションで館外閲覧できるストリップ関連書籍(2023.10.31現在) - charming records
装丁:中本那由子
メタルペーパー表紙、三方小口染め
B6サイズ、152ページ
1800円+税
刊行:2023年11月11日(文学フリマ東京37で初売り)
購入できる場所(2023/11/15時点)
●委託書店さま(店頭・通販)
●編者個人通販・BOOTH
『ストリップと読むブックガイド』に載せられなかった本
文学フリマ東京37(2023/11/11)で配布したおまけフリーペーパー。
PDFのダウンロードはこちら。
*Dropboxを利用して配布しています(アカウント取得やログインは不要です)。
*無断転載、公開、複製、再配布を禁じます。
『ストリップと読むブックガイド』制作日記:10/20-25
10/20(金)
仕事は年休を発動。ここから先はおそらく体力が落ちてゆくので、寄稿者20名のページの最終作業を済ませる。みなさんのご協力のおかげで、余裕を持って仕上げられたはず。このパートだけでも80ページ強。でも、関連書も併録されているよさはこれからまとめます。
田中小実昌、深沢七郎、色川武大、ストリップと縁が深い小説家の項を手直しするのに調べものをしていたら、嵐山光三郎がストリップ評論をやっていた噂が出てきた。
関連書を追ってきた期間、ストリップを書くこと、出版することが金儲けになった時代について考えていた。金にはならないとわかっていてもどうにか本を出したひとたちのことも。わたしは、金にならない、“役に立たない”からこそ、いまこの本をつくらずにはいられないのかもしれない。この根はストリップを観に行く動機と繋がっている。寄稿者のブックガイドにもその側面にふれられているものがあった。
スト客が「ルンバ」と呼んでいる、浅草ロック座の移動式ステージ。公式名称は「ワゴン」だそうです。勝山基弘『浅草ロック座昭和末年』より(寄稿は池内紀と久世光彦!)。
10/21(土)
日光浴と運動を兼ねて、昼食は外で。セロトニンよ出ておくれ。明日は引きこもるつもりで、うちでぱぱっと食べられるおいしいものを買いこむ。以前から気になっていたパン屋や焼菓子の店へ。
ここ数日デザイナーさんとは装丁の調整の相談をしてたのだけど、いよいよ完成、入稿用データ作成をお願いする。めっっっちゃかわいい。こんなイラストで、キラキラさせたい、背以外の断面はこういう理由で染めたい、などリクエストしたところ、あれこれご提案でふくらましていただけて、このかたちになった。劇場のきらめきも紙の本の面白さもスパークしてる装丁、うれしい。
藤原審爾の小説『わが国おんな三割安』。新宿のお座敷ストリップ派遣事務所を営む夫婦のところに転がり込んでは出て行く女たちが繰り広げるドタバタ劇。寄る辺ない女たちを迎え入れ、ストリップを与え、次の人生へ送り出す夫婦は「とうさん」「かあさん」と呼ばれる。著者は踊り子たちに取材をしていた。
あやしげな踊りをみせる彼女たちに、つよく感じたことは、ほんの小さなつまずきが、このわたしらの国では、女性たちにはげしい打撃を加え、まるで二度とたち直れぬようにしているごとく、見うけられたことです。それは彼女たち自身のよわさや、人生がみじかすぎることばかりでなく、世の中の出来やわたしらの薄情さのせいであって、実にかなしいことなのでした
「作者のことば」より。いまも変わらないね。本作は電子で復刊しています(Kindleはないのだけど)。
関連書ページには20名のガイドとの接点がある本も。整理しながら、寄稿者の選書眼にあらためて感服するなど。
10/22(日)
へんな連中たちのことを書く。私が幼い頃から憧れ、共感し、或いははらはらしたり、そうら見ろと思ったり、体質的に自分の先輩と深く思って片時も眼を離さなかった浅草の連中のことである。
雀士として阿佐田哲也名義でも執筆していた無頼の作家、色川武大が浅草を書いた『あちゃらかぱいッ』の冒頭。色川は神楽坂から浅草まで徒歩で通いつめていたらしい。芸人の中でも、エノケンや古川ロッパのような「成功者」ではない者たちを小説として掬い上げようとしたのが本作。
関連書データに載せないことにした本のことを思う。載っているのはある種「成功者」ではある。ここまで、載せる・載せないの判断にはかなり頭を抱えてきた。こぼれ落ちるものを拾いあげてこそ、ミニコミでありストリップでは? カストリ雑誌文化のことも頭をよぎった。
家から一歩も出ないで、きのう買い込んだおいしいサンドイッチほかでエンジンを燃やした。
明日も仕事に行ってる場合ではないのだが、印刷代を稼ぐわよ。
10/23(月)
予定では、余裕を持って編集作業をすべて終わらせるつもりだった日。
関連書の説明文の執筆、うちの本棚にあって既読のものばかりがあと回しになっていた。このデータをつくってみて、ストリップの書籍がそれはもうピンキリなのがよくわかったけども、なにもわかってなかったころ、古書店で橋本与志夫『ヌードさん』に遭遇して買っておいたのは運がよかった。京都市の岡崎でのこと。「特出し」以前のストリップ黄金時代が丁寧にまとめられていて、上演記録を辿ることができる。前にまさご座へ行ったとき、駅から向かう道の途中にある古書店・徒然舎で踊り子のジプシー・ローズの本を見かけた。
NDLの関西館から遠隔複写が郵送されてきた。東京本館ではデジタル化作業中で確認できなかったもの。ギリギリが過ぎる。
10/24(火)
いまになって、新たな関連書の存在に気づいてしまった。内容確認は即日できなくもないけど、この段階ではページ数調整がどうにもならず、あきらめます。不覚……。
読んでは直しの反復。どうしていまこんなに直すべきところが出てくるのか。
中谷陽がストリップに衝撃を受け、まったくの出版素人からスト専門誌『ヌード・インテリジェンス』とインテリジェンス社を立ち上げた経緯には励まされる。インテリジェンス社から出た『ストリップ昭和史』の組版は、ちとつたないもんなあ。寄稿しているストリップ研究家・丘陽一の著者近影がかわいいので、機会があったら見てください。劇場でのひとコマ。
10/25(水)
通勤中、各ページを読み返す。印刷所のしめきりが17時ということで、昼休みに仕上げ。ソフトが不調でしょっちゅうフリーズし、画面の前で繰り返し励ます。休憩が明けるギリギリに印刷所へ送信。ここまで歯の根が合わなくなっていた。
データに不備がある場合、印刷所から連絡がきて納品が遅れる。最悪、文フリに間に合わない。午後の仕事中に携帯が鳴っておびえていたら、他現場のクリスマスイベ当選のおしらせでした。
同僚と雑談の延長でいっしょにスマホで猫の写真を見ている最中に、データ問題なしの通知。安堵も達成感もまだない。まずは早く関係者に目次を見てもらいたい!
*
『ストリップと読むブックガイド』
2023/11/11(土)文学フリマ東京37で初売り!
内容と販売情報はこちらから
『ストリップと読むブックガイド』制作日記:10/15-19
10/15(日)
早朝に目が覚めて寝つけず、強い雨の音を聞きながら朝ごはんを食べて(急にさむくなったのでとうふをレンチン)、ひとを待たせていることを終わらせ昼まで二度寝。気圧が身体に重い。
道すがらエチオピア料理を食べて、図書館へ予約の本を取りに行く。この館は無人の受け取りコーナーでセルフで手続きするスタイルなのだけど、大判のストリップ写真集が子ども向けの絵本と並べて置いてあって申し訳ない気持ちに。人目のないところで閲覧してすぐ返却して帰ろうと席を探すも、中高生が自習してるとこの隣しか空いてない。持って帰ります。
篠山紀信の写真集『Tokyo Addict』には六本木の森ビル建設現場、スタジオジブリのアトリエ、小泉純一郎の街宣、マルジェラの店舗などとともに道劇での作品が収められており、あの盆が迫り上がっていたのだけど、ひびは写っていなかった。撮影は2001年7月3日。
イスラエルとパレスチナのことはネットやテレビでは追わず、新聞で読む。
10/16(月)
寄稿の掲載順確定。通して読まれるのもうれしいけど、目次から気になる本を見つけて拾い読みするのもたのしいはず。
ブックガイド本は書評にタイトルをつけないものもあるけど、お願いしてほんとうによかった! それぞれにかっこよくて目を惹く。キーワードは編者がまとめて全員分決めたり、方向性を指定して全員を同じ形式で揃える手もあったけど、執筆者に決めてもらった。読む側からしたら、てっとり早くなくてわかりにくいかもしれないけど。選書、書評、タイトル、キーワードまで、寄稿者にはたくさん考えてもらって感謝しております。
10/18(水)
今週は仕上げの作業のために年休を取るべくハードコアな仕事を巻きで進行し、必死のパッチ(最近おぼえた言い回し)でレイアウトソフトにかじりついていた。早起きして出社前に編集やって、移動中に連絡して、仕事はちゃめちゃにがんばって、昼休みに編集やって、午後も仕事はちゃめちゃにがんばって(以下逆再生)。仕事を予定より一営業日早く終わらせたら糸が切れて、帰宅してそのまま呆然とポテチとアイスを食べた。
どうやら全160ページ程度、原価との兼ね合いで1800円が限界。落ち込む。構想がまとまった段階では、1500円までを目指していた。
背の厚さを計算したら、うちにあった本田『病める惑星より愛を込めて』の3巻がちょうど判型も厚さも近かった。よそさまのミニコミの仕様と価格を見にネットに漕ぎ出しそうな自分を引きとめる。
これで落ち込むのはたぶん体調による迷走なので、おふろに浸かり、ふだんはケチるアロマスプレーを噴きまくった。
10/19(木)
通勤時間を作業に充てたくて在宅勤務。
Fire TVを立ち上げたら、ホーム画面に出てきた『薬屋のひとりごと』を『楽屋』に空目した。『楽屋のひとりごと』、劇場関係者かヒモのエッセイにありそう、かわいくてオシャレな気の抜けた挿絵がついてて、70年代くらいまでに出たやつで、と寝起きの頭でレンチンとうふのあったかさに感激していた。とうふをつついてるあいだは両手がふさがるので、その時間だけはドラマを観ている。
ピラティスに行ったら、明らかに可動域が狭くなってるし、意識がとっちらかる。
*
『ストリップと読むブックガイド』
2023/11/11(土)文学フリマ東京37で初売り!
内容と販売情報はこちらから
『ストリップと読むブックガイド』制作日記:10/10-14
10/10(火)
デザイナーさんに背をつくってもらうために、ページ数を確定せねばならない。ストリップ関連書の分を大ざっぱに計算したら、80ページくらい。寄稿者のブックガイドと合わせて約160ページ。関連書はおまけ程度に考えていたはずが。できれば値段を抑えたい。バッサリ削る?
読んでみたらストリップと関係なかったので載せないことにした本も数えてみたら、約70点。そんなにあったっけ?
10/11(水)
編集のクライマックス期間に、しんどい業務が重なった。過集中と虚脱の往復で動けなくなるのが目に見える。印刷所のしめきり日直前に休みを申請した。
ここに来て、通勤の途中に寄れる公立図書館の貸出カードを増やす。踊り子本や劇場本が多いまち、なんでこんなマニアックなものが?と突っ込みたくなる本だけはあるまち、地域性があります。借りることになる本はほとんど保存庫に入っているのだけど、こういう内容で同時代的な需要が終わっても、意外と残されているんだな。
うちの最寄りの図書館で、某劇場の本(是が非でも読みたい絶対に掲載したい)がずいぶん長いこと延滞されている。
今日は図書館と連絡だけで終了。刊行告知が近づいたので、関係者全員へひと息におしらせを連打。執筆者20名。20名もいる分、偏りもくっきり見えるガイドになった。
10/12(木)
観劇歴の長いスト客さんから昔話を教えてもらってきて、ストリップでパフォーマンスに力が入りはじめたのはなんとなく新風営法のあとだと思い込んでいた。本を読みはじめる前は。日劇の秦豊吉、浅草フランス座は井上ひさしに佐山淳と踊り子の浅草駒太夫、渋谷道頓堀劇場の矢野浩祐と踊り子の清水ひとみ、性をタブーとする世相や業界の過激化、取り締まりにも抗って、ショーとしての面白さに懸けてきた関係者はストリップ誕生からずっといた。ストリップは、抵抗しつづけている。人間のしょうもないところやだらしないところを内包しているのも変わらない。そして、人権を踏みにじって維持してきた歴史もある。出版は特権だ。記録されず、語られず、泣き寝入りするしかなかった人がどれほどいたんだろう。いまは?
フルーツサンドを食べたら、甘さがギュインと脳天直撃した。
10/13(金)
はじめての告知。早く中を見せたい!
10/14(土)
このところ座りっぱなしで作業して深夜に糖質爆食いしてるのに、体重2キロ落ちてる。
開館時刻ねらってNDL、これまででいちばんすいてるー!
デジタル化作業中の資料が、検索結果の画面では「来館複写」表示になっていたので申請を試みるも、デジタル化が終わるまでは複写もできないんですって(みなさんご注意を)。評論でよく言及される小沢昭一の雑誌「季刊 藝能東西」は最終号が「ストリップ大特集」で、NDLの所蔵は1号分だけ、検索画面では目次もわからないので出納請求してみたら、サーカス特集の号だった(みなさんご注意を)。最終号は、熱海銀座劇場すぐそばの無人古書店「ひみつの本屋」で非売品として閲覧できた(去年の9月時点では)。
のりかえついでに、カレーがないと堪えられん!と飯田橋の南インド料理屋・TOKYO BHAVANでミールス。しっかり辛くてみなぎる。自分の辛さ耐性ひとつ上ぐらいって味をたのしめるギリギリのラインで、ゆっくり食べるようになるから気が急いているのを落ち着かせるにはいいのかもしれない。シャッキリするし。コーヒー屋で豆を焙煎してもらってるあいだ、外のベンチでラップトップをひらいたら風が気持ちよかった。
執筆者のみなさんから、レイアウトチェックの結果が戻ってくる。もう一度読み返すと、加筆修正でこの人とあの人の書評に繋がりができたり、ぜんぜん違うジャンルの本を紹介しているのに論は近しいところにあったり。こういう偶然に血の流れが速くなる。
Twitterに流れてくる「湯の上フォーエバー!」の様子がうらやましい。天国じゃん。ブリの解体ショーでオープニングなのも、倉田翠がカラオケの審査員してるのもわけがわからない。LOVE。別府は友だちといちど行って、別府温泉保養ランドとヒットパレードクラブに痺れた。次回はなにがなんでも行く!
*
『ストリップと読むブックガイド』
2023/11/11(土)文学フリマ東京37で初売り!
内容と販売情報はこちらから
『ストリップと読むブックガイド』制作日記:10/6-9
下記の演目の内容に言及しています。
10/6(金):浅草ロック座『まつろわぬもの』第二期3景での友坂麗
*
10/6(金)
同僚から思わぬ気づかいをもらったが、判断をミスって失礼をしてしまったかも。こういうとき、義理を果たせるだけの余裕と体力が残せるように暮らしたいんだよなあ。
浅草ロック座で『まつろわぬもの』二期。どの踊り子さんにもハマり役というのはあって、みな自分の魅力の引き出し方をよく知ってるのだけど、ゆきなちゃんは身体つきや顔だちの特長を飛び越えて、なんにだってなれる。浅草で観るたびに新たな一面に驚いている。ゆきなの可愛さ・元気・根性がストレートに出てる自作演目も大好きだけど。
友坂麗さんがサブ景で何度も破顔していた。カマキリがこんなに似合うとは。
橋下まこちゃんは圧巻のトリ。デビュー直後から断続的に観ているけど、ここ何年かでベッドの深みがぐっと増していて、いつか浅草のトリで観たい、でも最初からトリとしてデビューする踊り子かゲストとして呼ばれる有名女優以外は難しいのだと見ていた。こういう登用が続いたらうれしいのだけど。
10/7(土)
NDL。駅から入館までの道はいちょうが並ぶ。生理中に銀杏を嗅ぐのはきついな。気温が下がったからかおなかいたい。
中谷陽『おお特出し』。この人の文体は口上のようで小気味好い。基本的には踊り子への取材本なのだけど、終盤にスト客分析のページが設けられ(中谷が編集長のスト雑誌「ヌード・インテリジェンス」読者アンケートによる)、「真面目人間が意外にかぶりつき専門の熱心なファンだったりする」。この真面目というのは、公務員、医者、大学教授などの「先生」と呼ばれる「おカタい」職に就いている者のことだそうです。「専門」ってのがまた可笑しい。その職業=真面目かどうかはさておき、いまも何が何でもかぶりに座ろうとするスト客はまあ真面目ではあるか。席取りのために早起きできるんだから。その割にいざステージの最中はあんまり見てなかったり、寝落ちたりする人もいるけど。
踊り子の著書は、デジタル化の作業中で出庫できないものがチラホラ。戦後のストリップ初期の古い資料は既にデジタル化されてるものが多い。作業の優先順、どうやって決めてるんだろ。
NDL通いもあと一日で終えられそう。
ブックガイドの寄稿者との相談もみっちり濃密な日だった。
10/8(日)
近所の店の限定メニューを食べられるタイミングが今日しかなくて、むりやり予定にねじこんだ。コーヒーカップが唇にふれた瞬間、このごろガサツな味のものしか口にしていなかったことに気づく。
図書館で資料を借りて、ブックガイドの校正や寄稿者への連絡。って毎日書いてないかこれ。
文筆業の俺が楽屋で踊り子と親しくなってあんなことやこんなこと(ただしこれはあくまで実話に基いたフィクションである)ってイキってる本、わりと出てた。ストリップに活気があって、メディア露出も盛んだった時代のことです。踊り子のヒモのエッセイの方がよっぽど清々しい。ヒモのみなさんはヒモになれるだけあって、可愛げがある。友だちにはなれる気がしないけど。
グロッキーにならずに一日を終えられたのはいつぶりだ? このところ深夜にどうしても炭水化物が欲しくなるのも、今日は落ち着いてた。
10/9(月)
ざっくり目次をつくる。ガイドの掲載順もおおよそ決まり。カテゴリ分けはしないことに決めた。それにしても、キーワード、書評タイトル、執筆者名、取り上げた本、情報量が多い。世のブックガイドの先達が目次をどう構成してるか、もっぺん見てみよ。
関連書で内容確認が済んだもののうち、掲載候補をカウントしたら、約160点あった。編集作業につかえるのは残り2週間。網羅でいくか、ぎゅっと絞りこんでベストセレクションにするか。
文フリのブースで本を盆にのせて回したくて、電池式のターンテーブルを探す。光らせようとすると電源が要るのかな。いやしかし、ここは光らせたいでしょう。
*
『ストリップと読むブックガイド』
2023/11/11(土)文学フリマ東京37で初売り!
内容と販売情報はこちらから